松竹梅

松、竹、梅という3種の木の名を1つの熟語にして、松竹梅といい、めでたいものの象徴的な表現となります。これらの植物は寒さに強いことから冬の間に珍重され、正月門松結婚式などの祝いごと、めでたいときの飾りとして使われます。長唄などの曲の中にも歌詞としてよく使われ、やはり祝儀用とされています。

松は、日本を代表する木で、日本画の背景にもよく描かれています。竹は、細工物や笛の材料として使われてきました。梅は、その花を観賞するだけでなく実を食品や薬品にし、古くから重要な保存食となっていました。




紅葉

日本の多くの落葉樹は秋になると葉の色が紅や黄色に変わり、山々を美しい色で染めます。これを紅葉といって、日本人は春の桜と同じように美しい景色としてほめたたえ、古くから詩歌にその美しさを詠み込んでいます。秋になると人々は紅葉を見に山野へと繰り出します。桜を見るのを花見というように、山野に紅葉を見に行くことを「もみじ狩り」に行くともいいます。そうして赤や黄色の葉が散ってしまうと、日本列島は冬へと季節を変えるのです。

日本の紅葉が美しいのには理由があります。晴れた良い天気が続くと葉の同化作用が盛んになり、炭水化物がたくさん蓄積され、紅葉のもととなる花青素が増えるからです。




キノコ

キノコは森林の生植物で木やその根元に生えるものが多いことから、昔の日本人が「木の子」と名付けたのが由来です。古い言葉では「タケ」といい、そのためキノコの和名には「〜タケ」とつくものが多くあります。

食品としてのキノコは独特の風味によって大変親しまれています。日常の食卓にのぼる主なものには、シイタケ・エノキダケ・シメジ・ナメコ・マイタケなどがあり、焼いたり、汁の身にしたり、油炒めや茶碗蒸しにしたりします。「香りマツタケ、味シメジ」といわれ、マツタケは芳香のため非常に珍重されていますが、高価で一般の家庭の食卓にはあまりのぼりません。




果物

日本は四季がはっきりしているのでそれぞれの季節に果物がとれます。中でも秋は果物の季節といっていいでしょう。「桃3年、柿8年」という言い方があり、桃や栗は種をまいてから3年で実がなり、柿は8年かかる、という意味です。これらの果物は古くから日本人に親しまれて民話にもよく登場します。桃は「桃太郎」、栗や柿は「猿蟹合戦」などです。そのほかの秋の果物はナシ、リンゴ、ぶどう、秋から冬にかけてはみかん、夏には、びわなどが収穫されます。梅からは梅干しを作りますが、これは昔から優れた保存食として親しまれています。




朝顔

アジア原産の一年草のツル草で、朝顔は盛夏のころから初秋にかけて咲きます。日本には西暦900年代に遣唐使によって薬用として持ち込まれ、栽培されるようになりました。「朝の顔」という日本語名の意味通りで、朝咲き、すぐに花を閉じてしまいます。江戸時代(1603〜1867)に栽培が盛んになり、多くの品種ができました。湿気が多く暑い日本の夏には、朝の涼しい空気の中に咲く朝顔が人々の心をなごませるのです。こんな有名な俳句もあります。

朝顔に つるべとられて もらい水 (千代女)

東京の下谷では毎年7月6日から8日まで、鉢植えの朝顔を売る朝顔市が開かれます。




ほおずき

ナス科の多年生植物で、夏にはオレンジ色をした風船のような袋の中に、丸いさくらんぼのような実が熟します。日本の女の子たちは、その実をよくもみ、小さく開けた穴から柔らかくした果肉を出し、舌と歯に当てて笛にして、よく遊んだものです。

毎年7月には、東京の浅草でほおずき市が開かれ、多くの人々が集まります。




藤は、発音すると富士と同じですが、晩春に咲く薄紫色の蔓性の美しい花です。山野に自生していますが、観賞用としては棚を作りその上に蔦をはわせ、花はその棚から垂れ下がるようにします。この花の房は数十センチから1メートル数十センチになり、風が吹くと波のように揺れるのが藤波といって美しいのです。薄紫色は一般に藤色といわれます。




菖蒲

根や茎は水の中に横たわり、長い葉を持ち、初夏に花を咲かせます。葉には芳香があり、邪気を払うとされ、5月5日の端午の節句(子供の日)には、その葉や根を湯の中に入れて風呂に入ります。これを「菖蒲湯」といい、古くからの習慣で銭湯でも行われています。菖蒲や、似た形のアヤメは姿が美しく、大きく繊細な花弁が開く様は、美しい女性を形容する比喩にも使われます。




春を告げる緑の中でも、柳は真っ先に芽を吹き、新しい季節の到来を告げるので、昔から日本人に親しまれ、歌にも多く詠まれています。日本中どこにでも植えられて日常親しまれているためか、柳を用いた諺も数多くあります。種類も多く90種以上を数えますが、しだれ柳がその代表です。中でも東京の銀座の柳の街路樹は、古い流行歌にも歌われて有名です。




秋の味覚の中では、栗は最も親しまれているものの1つです。そして柿とともに秋を象徴する果物でもあります。実を覆ういちばん外側の皮は針ネズミのように針がたくさん生えています。この実はゆでてそのまま食べるか、ご飯に炊き込んで栗ごはんにします。また、ようかんや饅頭など、日本の菓子類にもよく使われます。栗の濃い茶色は栗色ともいわれます。