伝統的な日本家屋は、基本的には木と紙でできています。部屋は地面から20〜30センチ高く、板張りの床の上に畳が敷いてあり、仕切りにはふすまや障子が使われています。これらは木枠に紙を張ったものです。家の内と外は厳しく分けられ、靴をはいたまま室内に入ることは決してできません。
部屋と部屋の仕切りの上部に、通風・採光目的で設けられたもので、ふつうは格子や透かし彫りの装飾が施されています。
床の間は、和室の壁面に設けられた、一畳か半畳程度の部分で、掛軸や生け花を飾る場所です。床は板張りで、周囲より一段高くなっているのがふつうです。古くは神を拝むための場所だったのですが、室町時代(1392〜1573)から安土桃山時代(1573〜1603)にかけて造り付けとなり、座敷の装飾的性質を持つものになりました。しかし最近の集合住宅には、床の間のない間取りも多く見られます。
畳は平安時代(794〜1185)から使われていましたが、当時は人が座る場所にだけ敷いており、部屋中に敷くようになったのは室町時代(1392〜1573)からです。畳の台は乾燥したわらを重ねて縫ってあり、その上にいぐさで編んだ 畳 表 をかぶせてあります。畳1枚は約90センチ×180センチで、和室の広さは畳の枚数で表されます。なお、畳の縁を踏むと傷みが早いため、踏まないのがマナーです。
布団は日本の寝具で、敷き布団と掛け布団とがあります。中には綿や羽毛が詰められています。ベッドのマットレスにあたるのが敷き布団で、その上にシーツを敷きます。毛布などと一緒に上に掛けるのが掛け布団です。日本は湿気が多いので、天気のいい日には布団を日に当てて乾燥させます。布団は、使わないときは畳んで押し入れにしまっておけるので、日本の狭い部屋には合理的な寝具なのです。
座布団は日本版クッションで、畳の上に座るときに使うものです。四角い形をしていて、ちょうど1人が座れるくらいの大きさです。中にはふつう綿が詰められています。 座布団の覆いは、さまざまな模様や絵を描いた布でできていますが、夏になるといぐさなどで編まれた、さらっとした感触で、風通しのいいものが好まれます。
正座は、畳の上に座るときの正式な座り方で、茶の湯の席など、正式な場では必ず正座をすることになっています。両足を折り畳んでかかとの上に腰をのせるので、慣れていない人には、長時間の正座はつらく感じられるでしょう。しかし、正座をすると、頭から背骨にかけての体の中心線が床と垂直になるので、安定したよい姿勢が保てるのです。畳に座るときには体にいい座り方なのです。
正座に対し、リラックスした座り方があぐらです。両足を前に出してから、三角形になるように組んで座ることを「あぐらをかく」といいます。男性はよくこの座り方をしますが、女性にとっては行儀の悪い座り方です。女性がリラックスして座るときは、ひざを開かず正座していた足をそのまま横に流して座るのがふつうです。
障子は、長方形の木の枠の中に、細い木を格子にしてはめ込み、それに和紙を張った引き戸です。部屋の出入口や間仕切り、あるいは窓に取り付けて使います。採光を考慮しているため、障子を閉めていても、和紙を通して柔らかい光が差し込んできます。典型的な日本家屋には必ず見られるものですが、住居が洋風化するにつれて、少なくなってきています。